★★★★★

2008年7月13日 (日)

『忘れられた日本人』 宮本常一 初版1960年

夏のはれた暑い日の稲を見ると、ゴクリゴクリと田の水をのんで、
稲の葉が天をさしてのびていくのがわかるような気がするという。

秋になって田に入れた水をおとしてやると、
その水がサラサラとさも自分たちの役目を果したように
さっぱりして流れていくのがわかるという。

20080713

***** 概要 *****

昭和14年以来、日本全国をくまなく歩き、各地の民間伝承を克明に調査した著者(1907‐81)が、文化を築き支えてきた伝承者=老人達がどのような環 境に生きてきたかを、古老たち自身の語るライフヒストリーをまじえて生き生きと描く。辺境の地で黙々と生きる日本人の存在を歴史の舞台にうかびあがらせた 宮本民俗学の代表作。

***** 読むきっかけ&目的&感想 *****

何がきっかけだったか忘れてしまったけど、あたしはこの一年ちょっと『~NHKアーカイブス~新日本紀行ふたたび(2005 -)』を録画して見ている。『新日本紀行(1963 - 82)』の取材地をふたたび訪れ、当時と現在の映像を対比しながらその地域の風土や暮らしを見つめなおす番組だ。つまり、日本の地域を扱った番組なんだけど、芸能人が出てくるわけでもなく、都会から来た人の小洒落た田舎暮らしを紹介するでもなく、旅行(観光)やグルメ番組でもない。『新日本紀行』当時は子供だった人が『新日本紀行ふたたび』現在では大人になっていたりして、風土や暮らしの変遷がとても如実に伝わってきて面白い。メディアが伝える情報は都会中心だけど、こういう番組もいいもんだなぁ~、なんて思いながら見ている。

で、民俗学の面白そうな本があったら読んでみたいな、なんて思うようになって探した本の一冊が本書。

さくら好み ★★★★☆

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2008年6月21日 (土)

『近代民主主義とその展望』 福田歓一 初版1977年

本論の中で述べたことは

すべて陳腐で常識的な内容を出ていないはずである

むしろ意図的にそのように務め それを狙ったつもりである

20080620

***** 概要 *****

民主主義という言葉が多義的で、ひろくイデオロギーとしてさまざまに使われるのは、政治の世界ではやむを得ないことである。民主主義が万人を当事者とする政治を意味する限り、万人がおのおのの自分の民主主義のイメイジをもつことも、あるいは望ましいことかも知れない。

しかし、民主主義が共同の努力を求める以上、イメイジに共通の部分があってもよい。何よりも、イメイジのちがいが明らかになるためにも、また個性的・独創的なイメイジが提示されるためにも、陳腐で常識的な最小限度のたたき台が役に立つかもしれない。それが本書をまとめた意図なのである。 <あとがきより>

***** 読むきっかけ&目的&感想 *****

あたしの中で「民主主義国家の姿」が漠然とし過ぎていて、???を感じる事が少なくないので、「(日本の)民主主義」をイメージしやすくするために読んだ。

さくら好み ★★★★★

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2008年6月14日 (土)

『貧困の終焉』 ジェフリー・サックス 第1版2006年

2025年までに貧困問題を解決する

この明確な目標は夢物語ではない

20080614

・・・・・ 概要 ・・・・・

現在、全人類のうち10億人が飢餓・疫病・地理的な孤立のために「貧困の罠」から抜け出せず、1日1ドル未満で生活することを強いられている。そのうち、生きる闘いに破れ、死に追いやられる人は毎日2万人もいる。しかし、人的資源の確保とインフラの整備さえ行われれば、自然と促される経済活動によって貧困を過去のものとすることができるのだ。そして、そのために必要な援助額は先進各国のGNPのたかだか1パーセントに満たない。私たちは、人類史上初めて「貧困問題を解決できる可能性を手にした世代」なのである。

1980年代半ばのボリビアに始まり、ラテンアメリカの各国、東欧革命中のポーランド、解体直後のロシア、インド、中国、アフリカ諸国で経済政策の顧問を務め、トップの政治家たちに助言を与えてきた国際開発の第一人者が、その豊かな経験を振り返りながら、貧困をなくすための方策を明らかにする力強い希望の書。

ちなみに原著は、2005年発刊。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

貧困が無くなるという事は何が始まる事なのか、が知りたくて探した本の一冊。食料不足や石油の高騰が叫ばれる昨今その要因は、投機マネーやバイオ燃料とする以外にも、中国やインドなどの貧しかった国が、目覚しい経済発展をしてきた事にもあると言われている。この経済発展という階段は、中国やインドに限らず、他の極貧といわれる国々だって、いずれ上り始めるに違いない、ような気がする(←無知なので曖昧な言葉になってしまう ^^;)。そうした時に何が起きるのか、というか、もう起きつつある現象なのか、それはどうなっていくのだろうか、・・・という事を想像する糸口になればと思って読んだ。

さくら好み ★★★★★

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2008年6月12日 (木)

『日本語文法の謎を解く』 金谷武洋 初版2003年

「文法は文化や価値観・発想の違いを反映している」

20080612_5

***** 概要 *****

日本人の英語下手は言われて久しい。しかし、単語やイディオムの暗記だけでは上達に限界がある。それよりもずっと大切なのは、日本語と英語の「発想法」の違いを正しく把握することだ。日本語が「自然の勢い」を強調するのに対して、英語は「より人為的・意図的」な表現を選ぶ。本書では、日英両語の基本文の比較に端を発して、地名と人名、人称代名詞、主語・主題、自他動詞と受身・使役などをわかりやすく、かつ大胆に解釈しなおす。目からウロコが音を立てて落ちる、新しい日本語論を提唱する。

***** 読むきっかけ&目的&感想 *****

日本語の個性って何だろう、と思って読んだ本。日本語の個性が、性格形成にどんな影響を与えているのかに興味がある。そしてその延長線上で、他言語の個性が、性格形成にどんな影響を与えるかにも興味がある。軽い興味に過ぎないけど、ね。

さくら好み ★★★★★

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2008年6月 1日 (日)

『全国アホ・バカ分布考』 松本修 初版1993年

東京の人は「バカ」といい 大阪の人は「アホ」という

しかし 「人をバカにするな」の関西弁は 「人をバカにするな」 
「アホ」によって関西で滅ぼされたのは 「バカ」という単独の用法だけ

ねじはバカになっても けっしてアホにはならない

20080601

勉強のできる子を 東京では「カシコイ」といい 大阪では「リコウ」という
 

***** 概要 *****

「私は大阪生まれ、妻は東京出身です。二人で言い争うとき、私は『アホ』といい、妻は『バカ』と言います。耳慣れない言葉で、お互い大変に傷つきます。ふと東京と大阪の間に、『アホ』と『バカ』の境界線があるのではないか? と気づきました。地味な調査で申しわけありませんが、東京からどこまでが『バカ』で、どこからが『アホ』なのか、調べてください」

1990年1月、TV番組「探偵!ナイトスクープ」にきた調査依頼、それが後の大調査の記念すべき第一歩になった。 。。

このような「つまらない言葉」にも、いにしえの京でめまぐるしく流行り言葉が生まれ、そして忘れられていった偉大な歴史があったこと、すなわち、限られた文献などではとうてい計り知ることのできない、豊かな話し言葉の世界がこの日本で育まれ続けてきたのだという事実をまのあたりにして、きっと深い感慨を抱かれることだろう。

***** 読むきっかけ&目的&感想 *****

本のタイトルに惹かれて読んでみた。方言民俗学、なんていうと堅苦しいけど、扱う言葉が「アホ・バカ」だとちょっと面白そうな気がしたんだよね。^^♪

松本清張原作で黒澤明監督が映画化した『砂の器』を観たとき、ズーズー弁というのが手掛かりのひとつだった。当然、東北の人間だと思って探すんだけど全く進展しない。で、実は出雲地方でもズーズー弁が使われていた、という事が分かる。なんてくだりがあったんだけど、これを観てあたしは、同じようなイントネーションが南にも北もあるなんて方言分布って面白いなぁ、と思った。その記憶があったから、余計に「アホ・バカ分布」に興味を持った。

さくら好み ★★★★★

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2008年5月12日 (月)

『千年の祈り』 イーユン・リー 第一版2007年

なぜ彼女は中国語で書かずに英語で書くのだろうか

「中国語で書くときは自己検閲して」しまい「書けなかった」

だから英語という「新たに使える言語が見つかり、幸運だと思う」

20080511

○○○ 概要 ○○○

「たがいに会って話すには長い年月の深い祈りがあったのです。ここに私たちがたどりつくために」 ―離婚した娘を案じて中国からやってきた父。父娘のあいだに横たわる語られずにきた秘密と、人生の黄昏にある男女の濁りない情愛を描いた「千年の祈り」。ミス・カサブンランカと呼ばれる独身教師とその玉子売りの母を描いた「市場の約束」。代々宦官を宮廷に送りだしてきた町がそれと知らずに抱きつづけてきた欺瞞を描いた「不滅」。

中国の歴史の大きなうねりのなかで生きる人々の、ままならない歳月。その人生の細部のいあらわれる普遍的真実を、驚くべき技量で掬いとる。北京生まれの新鋭による、各章独占の鮮烈なデビュー短編集。

本書は2005年に刊行された『A Thousand Years of Good Prayers』の全訳。
 

○○○ 読むきっかけ&目的&感想 ○○○

共産主義の中国で生まれ育ち、資本主義のアメリカで生活している女性が、中国の物語を英語で記した本・・・・・、という事にまず興味を持った。そして、彼女にとって母国語ではない英語で書いたその小説が、第1回フランク・オコナー国際短編賞受賞、PEN/ヘミングウェイ賞、プッシュカート賞ほかを独占した、というのを知って驚いた。 。。。読んでみたい!   で、読んでみた。

さくら好み ★★★★★

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2008年4月29日 (火)

『もものかんづめ』 さくらももこ 初版1991年

ちびまる子ちゃんの未来♪

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百年の誤読』(岡野宏文 豊﨑由美)でこのエッセイ本をベタ褒めしていたから読んでみた。“ちびまる子”ちゃんがどんな大人になったのかにも興味があったし・ネ♪

余談だけど、この本を図書館で借りようと思ったら貸し出し中だったので予約をした。あたしが借りる本って、大抵は市立図書館20館での蔵書が数冊、つまりは蔵書してる図書館のほうが少ないんだけど、本書は43冊もあってビックリした。つまり、全ての図書館が2・3冊は蔵書してるって分けだ。その上、貸し出し中・・・・・。人気者の本なんだねぇ。

< さくら好み ★★★★★ 

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2008年4月14日 (月)

『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン 第一版2000年

1993年6月

ワイルズは一夜にして世界一有名な数学者

というより世界で唯一有名な数学者になった

20080411

<私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない。 フェルマー>

<E.Tベルは『最後の問題』のなかに書いた。「おそらく文明はフェルマーの最終定理が解かれる前に滅びるだろう」と。>

フェルマーの最終定理の歴史・・・・・、ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで。 。。。「数学者というものは各人ばらばらの目標を立てて研究して来たように見えて、実は全員がフェルマー予想に取り組んでいたのだ」。
 

Amazonベストセラー・ランキングで本書の文庫版が上位にあったので、この本の存在を知った。で、読者レビューを観てみたら面白そうだったので、図書館で借りてみた。数学者というのは、映画のためもあって、あたしの中でカッコよく、悲劇的イメージがあり、とっても魅力的な存在に感じている。そう、数学者への単純な好奇心があったのも、読む動機になっている。

<数学者を扱った映画であたしが観たもの>
・グッド・ウィル・ハンティング 1997年
・ビューティフル・マインド 2001年
・プルーフ・オブ・マイ・ライフ 2005年
・博士の愛した数式 2006年

< さくら好み ★★★★ 
 
 

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2008年3月11日 (火)

『星の民俗学』 野尻抱影 新装第一版1978年

星空を見上げる楽しみを教えてくれる

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古の人が星空を見上げて考えた事、違う土地の人、違う国の人が星空を見上げて考えた事が書かれていて、面白かった。今、あたしが見上げている星空を、過去の人たちも、未来の人たちも、違う場所に住んでいる人たちも、皆が見てるんだなぁ・・・、なぁんて想いを馳せる浪漫を教えてくれる。

< さくら好み ★★★★★ > 

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