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2010年12月の5件の記事

2010年12月20日 (月)

254~256 備忘録 「脳神経科医 オリバー・サックス」

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254 『色のない島へ 脳神経科医のミクロネシア探訪記』 初版1999年

原題: The Island of the Colorblind (1997)

概要: 先天性全色盲の患者が集団で暮らすピンゲラップ島、原因不明の神経病が多発しているグアム島…。「島」という環境ゆえに特異な風土病が残るミクロネシア。奇妙な病気とともに生きる島の人々の日常生活を心暖まる筆致で描く。

255 『火星の人類学者 脳神経科医と7人の奇妙な患者』 初版1997年

原題: An Anthropologist on Mars (1995)

概要: すべてが白黒に見える全色盲に陥った画家、激しいチックを起こすトゥレット症候群の外科医、「わたしは火星の人類学者のようだ」と漏らす自閉症の動物学者…脳神経科医サックスは、患者たちが抱える脳の病を単なる障害としては見ない。それらは揺るぎないアイデンティティと類まれな創造力の源なのだ。往診= 交流を通じて、不可思議な人生を歩む彼らの姿を描か出し、人間存在の可能性を謳った驚きと感動の医学エッセイ。

256 『化学と過ごした私の少年時代 タングステンおじさん』 初版2003年

原題: Uncle Tungsten: Memories of a Chemical Boyhood (2001)

概要: 「タングステンこそ理想的な金属だ」と、その根拠を力説してくれたおじ、遍在する数の法則を語るおば、真摯に働く医師の両親、発狂してしまった兄。強烈な個性がぶつかりあう大家族にあって少年サックスが魅せられたのは、科学のなかでも、とりわけ不思議と驚異に満ちた化学の分野だった。

banana読むきっかけ&目的&感想

メディカル・エッセイ集『妻を帽子と間違えた男』を読み、原作映画『レナードの朝』を見て、オリバー・サックスの世界をもう少し知りたいと思うようになり、何冊か読んでみる気になった。いずれ『音楽嗜好症(ミュージコフィリア) ― 脳神経科医と音楽に憑かれた人々』も読んでみたい。

さくら好み ★★★★☆

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2010年12月16日 (木)

253 『インド ミニアチュール幻想』 山田和 初版1996年

芸術の変遷は精神の変化によって起こり
精神の変化は日々の営みの変化によって起こる

古典美術と一緒に失われていくものとは・・・

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art概要

数百年にわたり、てのひら大の小さな空間の中に発展してきたインド細密画(ミニアチュール)。代々の細密画一族、世界的コレクター。その神秘的な「美」に憑かれた人々を現地に追った、異色のノンフィクション。文庫版(初版2009年)によせて新章「二十一世紀の細密画」を書き下ろす。第19回講談社ノン フィクション賞受賞作品。

art読むきっかけ&目的&感想

少し前に読んだ『喪失の国、日本 ― インド・エリートビジネスマンの「日本体験記」』で、その訳者として山田和を知った。アマゾンで調べてみるとインド関連の本を何冊か書いていて、その中でも特に面白そうだった本書を読んでみる気になった。インドの古典美術という題材に惹かれた。

さくら好み ★★★★☆

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2010年12月11日 (土)

252 『妻を帽子とまちがえた男』 オリバー・サックス 初版1992年

「アイデンティティの神経学」

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clover概要

原題: The Man Who Mistook His Wife for a Hat (1985 USA)

病気について語ること、それは人間について語ることだ―。妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする男。日々青春のただなかに生きる90歳のおばあさん。記憶が25年まえにぴたりと止まった船乗り。頭がオルゴールになった女性…。脳神経に障害をもち、不思議な症状があらわれる患者たち。正常な機能をこわされても、かれらは人間としてのアイデンティティをとりもどそうと生きている。心の質は少しも損なわれることがない。24人の患者たち一人一人の豊かな世界に 深くふみこみ、世界の読書界に大きな衝撃をあたえた優れたメディカル・エッセイ。

clover読むきっかけ&目的&感想

目や鼻や口が見えているのに顔という全体を認識できない「相貌失認」という病気があることを知り、そういった「失認症」について書かれた一般書を読んでみたくて探した本。

さくら好み ★★★★★

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2010年12月 9日 (木)

250,251 備忘録

250 『ねじの回転』 ヘンリー・ジェイムズ 初版1962年

<原題> The Turn of the Screw (1898 UK) 

<概要> 怪談の形式をとっているが、テーマは異常状況下における登場人物たちの心理的な駆け引きであり、心理小説の名作として知られている。ある屋敷に宿泊した人々が、百物語のように一人ずつ怪談を語る。題名の「ねじの回転」はその中の「一ひねり利かせた話が聞きたい」という台詞からとられている。

そのうちの一人が、かつて自分の家庭教師だった女性からの手紙に書かれた体験談を読み始める。彼女はある人から彼の所有する屋敷での住み込み家庭教師を頼まれる。所有者の甥と姪、それに家政婦と召使しかいないはずの屋敷で、彼女は着任間もなく正体不明の男を見かける。それは世にも恐ろしい体験の始まりであった。

さくら好み ★☆☆☆☆

251 『SF連作集 時の葦舟』 荒巻義男 初版1975年

さくら好み ★★☆☆☆

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2010年12月 8日 (水)

249 『喪失の国、日本 ― インド・エリートビジネスマンの「日本体験記』 M.K. シャルマ 初版2001年

1992年4月から1994年1月まで
日本に市場調査のために滞在したインド人研究員の
日本滞在記・・・ その私家本の邦訳

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eye概要

37歳で初めて取得したパスポートとともに、「礼節を重んじるクシャトリヤ(武士)の国・日本」にやってきた著者は、「一切がシステマティック」に整備 されている現代日本に面くらい、「正直いって私は恐れた。トイレ1つにもさまざまな操作知識が要求される。日本はインドのように、石器時代の名残をどこに も残していない」と驚きを連発する。物価水準、宗教観、恋愛・結婚観の相違から、インドと日本のカレーの違い、食べ方の違いまで、コミカルで興味深い分析がなされていく。

また、当時の日本の世相や流行が、リアルに描かれている点もおもしろい。まだバブル経済の余波で、企業の事業多角化、大小のテーマパーク の建設ラッシュ、連夜のハシゴ酒による接待で契約を取りつける日本式ビジネスなどが健在で、女性が都合よく利用するボーイフレンドをアッシー(足)君、 メッシー(飯)君などと呼んでいた時代である。

eye読むきっかけ&目的&感想

TBSラジオ『キラ☆キラ』でライムスター宇多丸さんが話していて知った本。以前、日本人のインド滞在記を探して読んだ事があり(『マンゴーの木 ~伝説の魔法使いをめぐる運命の輪~』)、その逆もまた面白そうだと思って読んでみた。1991年の市場開放直後のインド人が見た日本人、というのにも興味を持った。

さくら好み ★★★★☆

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