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2010年9月 9日 (木)

230『クォンタム・ファミリーズ』 東浩紀 初版2009年

「今のネットは この世界ではなく
     別の世界の 夢を見るようになった」

わたしたちの世界のすぐ隣には 無数の並行世界が開け
そしてわたしたちはネットを通じてそれらの世界と繋がっている

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pc概要

2035年から届いたメールがすべての始まりだった。高度情報化社会、アリゾナの砂漠、量子脳計算機科学、35歳問題、ショッピングモール、幼い娘、そして世界の終わり。壊れた家族の絆を取り戻すため、並行世界を遡る量子家族の物語。

pc読むきっかけ&目的&感想

今年の春、TBSラジオ『キラ☆キラ』のペラ☆ペラコーナーでコラムニスト神足裕司さんが紹介していたので知った小説。ちょうどそのころ量子宇宙論である「インフレーション理論」「虚時間の宇宙論」「超ひも理論」などの一般書を読んでいたので、「量子家族」という設定に興味を持った。とはいえそのまま忘れていたけど、少し前に宇宙物理学者・佐藤勝彦さんの『宇宙の創生、マルチバースと人間原理』という講演を聴いて、ふっと思い出したので読んでみる気になった。

さくら好み ★★★☆☆

村上春樹の名前が何回も繰り返し出てくるのも興味深かった。私は量子宇宙論の一般書を読みながら、村上春樹の『1Q84』って量子的世界観っぽいなぁと思っていたので、本書に出てくる村上春樹ワールドの解釈にはかなり肯ける部分があった。

終盤はどの世界がどの世界なのかを理解するのが大変で、ちょっとウンザリしてしまった(笑)。あと家族に執着し過ぎる心理描写もちょっと説得力に欠けていたから、心に沁みる事無く白けてしまった。

登場人物の誰にも人間的魅力を感じられなかったけど、世界観は物凄く面白かった。世界観こそが主役の小説だったと思う。

*クォンタム・ファミリーズ 年表、完全版(風花版) ←頭の中をスッキリさせるのに、かなり役立ちました。

pc著者

Azuma_2 東 浩紀

1971年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。

93年に批評家としてデビューし、1996年の「エヴァンゲリオン」論でサブカル周辺でも注目を集める。1998年に出版した『存在論的、郵便的』でサントリー学芸賞受賞、2010年に出版した『クォンタム・ファミリーズ』で第23回三島由紀夫賞受賞。

東京工業大学世界文明センター人文学院ディレクター・特任教授、早稲田大学文化構想学部教授。

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