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2010年4月22日 (木)

180『平安の美裳 かさねの色目』 長崎盛輝 初版1988年

平安時代のレイヤードスタイルが発するメッセージ cherryblossom sun maple snow

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art概要

「かさねの色目」はもと、一枚の袷仕立の衣(袿)の表裏の裂を会わせた色をいったが、後にはその衣を幾領も着装して表される衣色の配合色も「かさね色目」と呼ぶようになった。本書はその両者の色彩配合をとり上げたものである。

art読むきっかけ&目的&感想

着る服を決めるために重ねる色柄を考えている時、たまに「平安時代の衣もレイヤードスタイルだな。同じ様に迷ったり、TPOを考えたりしていたのかな」と思う事がある。それで、平安時代の人がどうやって重ねる色を決めていたのか、当時の基本的な配色がどんなだったかを知りたくなった。

さくら好み ★★★★☆

「かさねの色目」を考えて決めるのって、好みというより知識なのね。雅だけど難しい。けど、楽しくって面白かった。

art覚書

藤 ふぢ

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表薄色・裏萌黄。『服飾管見』 (中倍淡青)
別説、表淡紫・裏青、他六説。
着用時期、三月より四月まで。

紫に咲き匂う藤の花を表した色目。藤の花は陰暦三月末から四月、即ち、晩春から初夏にかけて花を開くことから、「藤」の衣の着用はその期間に限られる。『源平盛衰記』、女院入水、のところに、「弥生の末の事なれば、藤重ねの十二単の衣をめされたり」と見えている。ここでの藤重は装束の襲色目の名であるが、衣の重色目の「藤」は、『栄花物語』に、「藤の唐衣」、「藤の織物」などが見えている。藤に因んだ色目は、他に、「白藤」、「藤重」がある。藤の花の色は奈良時代では「なつかしき色」とみなされ、 Tosa_mitsuoki平安時代ではその色が、高貴な紫であることや、藤が藤原氏の象徴であることなどから色の中の色とされ、『源氏物語』では、その紫に因んだ高貴な女性、藤壺の女御を登場させ、また、「藤裏葉」の一編をもうけている。藤は漢名の紫藤からとった名で、和名のフジは「吹き散る」ことの意という。許六は、「藤は執心のふかき花なり。いかなるうらみをか下に持けむいとおぼつかなし。」とのべている。(『百花譜』)

比金葵 ひごんあお

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自然の美に従った服飾の美

この色目が自然を手本としてその色を模したものであること、また、襲色目の配色が四季の移り変りによる環境色の漸層的・対照的変化に関係があることに注目しなければならない。

衆知のように、わが国は南北に細長くのびる島国で、寒帯と熱帯の中間の温帯に属し、気候は温和、春夏秋冬の四季があり、その間、霞、霧、雨、雪を見る。草木は四季の変化に応じて発芽、開花、繁茂、紅葉、落葉して色を変え、或る時は多彩に、或る時は単色調の環境色をつくり上げる。

また、四季のうつりかわりによる温度の変化は、春の温暖、夏の暑、秋の清涼、冬の寒へ漸次推移的で、その変り目の早春、初夏、初秋、初冬は前後の季節が重なり合う。こうした、漸層的でしかも対比的に変わる環境に順応したわが国の人々、殊に自然への融和を第一に考えた平安貴族は、服飾の美は自然の美に従い、それを忠実にとり入れることによって得られると信じた。かさねの色目の配色が自然の色を模したのは、そうした自然尊重の精神によるもので、安易な自然模倣ではなかったのである。

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コメント

アリスの物語というと
夢の中にいる感覚
時空がいびつに
歪んでいる感覚がある

懐かしさと違和感
ふーむ^^

投稿: nono1 | 2010年4月23日 (金) 06時06分

コメ+レスは「181~備忘録アリス」に・・・wink

投稿: さくらスイッチ | 2010年4月23日 (金) 21時59分

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