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2009年7月13日 (月)

105『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』 蓮池透 初版2009年

私は現在、「家族会」の運動とは、少し距離を置くようになりました。
なぜかといえば、その運動のありように疑問をもったからです。

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thunder概要

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の前事務局長が、制裁偏重の被害者の救出運動を批判。イデオロギーの違いを超え、被害者を助けることを目標とした連帯を訴える。

蓮池 透: 1955年、新潟県柏崎市生れ。東京理科大学電気工学科を卒業後、エネルギー関連会社に入社。1997年より2005年まで、「北朝鮮による拉致被害者家族会」の事務局長をつとめる。

thunder読むきっかけ&目的&感想

家族を連れ去られてしまった哀しさ、辛さ、怒りを否定する気は無い。当然だと思う。国外に連れ去られた以上、外交が絡むのも当然だ。「拉致問題」は国家の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題だからね。日本と北朝鮮の関係が取り沙汰される時に「拉致問題」が付いて回るのも分からなくはない。家族で顔を合わせて笑えるとイイよね、とも思っている。

でも恥ずかしながら、あたしは「家族会」の気持ちや論理(方法論)がよく分からない。ニュースで見ても、支持する気持ちが湧き上がってこない。かなり違和感を感じる。でも、世論は彼らを支持している。

もうチョッと理解したいなぁ・・・なんて、あたしは漠然と思っている。 。。ので、以前「家族会」の一員として活動し、北朝鮮から弟さんが‘帰国’し、今は「家族会」と距離を置いて活動しているという蓮池さんの本を読んでみた。

さくら好み ★★★☆☆

共感できなかった。
理解しきれなかった。

不幸ってどういう状態なんだろう?
幸せって何だろう?
家族愛のあり方は一致するものなのかな?
何を見据えているんだろうか?

 

‘「拉致被害者家族会」で活動している人’が著した本を読んでみたい。
‘拉致被害者家族で「家族会」で活動した事のない人’が著した本を読んでみたい。
いつか‘拉致被害者自身’が著した本を読んでみたい。

 

thunder覚書

◆‘私が変わった理由’

「家族会」は、毎年ゴールデンウィークには東京の日比谷公会堂で大集会を開きます。それ以外にも、北朝鮮が拉致を認めた日である九月一七日をはじめ適宜、集会や該当署名活動などをおこないます。私は、それらが成功するよう、いつも努力してきました。

しかし、同時に、複雑な気持ちも持っていました。以前から、そういう取り組みには、ついていけない部分があったのです。

たとえば、集会参加者の中には、日章旗を持っている方が大勢います。そうして、誰かがしゃべるごとに、そういう方々が、旗を振りながら、「そうだ!」とか「けしからん!」とか、「『朝日新聞』出て来い!」「NHKはいるのか!」とか、激高するのです。

よく見ると、ゲートルを巻いた旧日本陸軍人そのままのような、変わった衣装の方もいます。「怖いなあ」と思って外へ出たら、右翼の街宣車の隊列があり、がなりたてているのです。そして、その街宣車から流れている演説と、私たちが主張していることと、内容がまったく同じだということに気づき、愕然としたこともあります。

ある日、経済制裁デモと呼ばれたデモがありました。小泉純一郎首相(当時)が被害者の家族を取り戻すために、北朝鮮を二回目に訪問(いわゆる再訪問)するときです。

当初「家族会」と「救う会」(*北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)は、連名で、再訪朝には反対だと政府に要請しようとしていました。そして。再訪朝という手段ではなく、経済制裁すべきだということを呼びかけるデモが行われたのです。

私は、それには賛成できませんでした。小泉氏には再訪朝してほしい、絶対に行って欲しいという立場でした。ですから私は、そういう要請はやめてくれと反対し、いろいろな経緯はありましたが、最終的には「救う会」単独の要請になりました。

ただ、統一して行動しなければならないということで、デモには参加せざるを得ませんでした。しかし、はっきり言って、参加したくはなかった。

そこで、ふつう、家族は隊列のいちばん前に出るのですが、そこには行かず、一番後ろに回りました。すると、サングラスをかけた怖いおじさん方が大勢並んでいるのです。これが私たちの運動だったのか、これはおかしいなと思いました。

‘異なった考え方を受け入れられなくなっている’

もちろん、私の中でも、感情的に北朝鮮を打倒してしまえというふうに思ったことはないと言ったら嘘になりますけれども、もっと冷静に考えようという部分もあったのです。弟が帰ってきたら、ますますその後者の気持ちが強くなってきます。だから、「救う会」には同調できなくなりました。

ところがその一方で、その主張に、「家族会」の一部の人が影響され、「家族会」の中にも、過激な政治運動家のような主張する方もあらわれました。いまは、「家族会」が出す談話などを見ても、北朝鮮に対しては制裁と圧力一辺倒で、異なる意見を許そうとしません。交渉を政府が探ろうとすると、「弱腰」と批判します。山崎拓氏に対しても、「何も知らないのに引っかき回すな」と批判しています。

私が対話を重視するようになってから、「家族会」の中で、風当たりも強くなりました。私は、「家族会」からは距離を置いて運動せざるを得なくなりました。

thunderリンク

蓮池薫さんx森達也さん : 本を読んだ後、この対談を読み、モヤモヤが少し晴れたsun

家族会 救う会 関連ニュース 薫のハムニダ日記

 

 

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コメント

蓮池さんがそうだ、と知って安堵した。

いま『朝鮮戦争全史』和田春樹を読んでいます。和田が言うように朝鮮戦争はまだ<終わっていない>。

冷戦は極東に二人の孤児をつくったね。北朝鮮と日本。ドーしヨーもない大ゴロツキ国にぼられっぱなしの、小ゴロツキ国のわたしたち。

投稿: 古井戸 | 2009年8月29日 (土) 12時30分

弟の蓮池薫さんが『半島へ、ふたたび』を上梓されているのを、第8回新潮ドキュメント賞受賞の記事で知りました。追い追い読んでみようと思っています。

戦争で分断されたままの南北朝鮮が再び統一されることは、傍目にはかなり難しいように見えます。それでもいつかは、南北ベトナムや東西ドイツのように再び一つになる日がくるのでしょうか。。。38度線が無くなってはじめて、「朝鮮戦争は終わった」と言えるのかもしれません。

日本の国家財政破綻!、・・・なんて事にならないといいんですけどねえ。

投稿: さくらスイッチ | 2009年8月29日 (土) 19時23分

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