100『もっと知りたい伊藤若冲 生涯と作品』 佐藤康広 初版2006年
いまの画というものは みな手本をもとに描くばかりで
いまだ物を描けたものを見たことがない
そして技術によって売れることばかりを求めていて
技術以上に進むことができたものがない
自分が人と違っているのはこの点だけなのだ
概要
本書ではおよそ主要な作品を選んで若冲の生涯に沿って配列し、さまざまな角度からの短い解説を加えている。また、若冲についてほんとうに知ってもらうため には同時代の文献が欠かせないので、漢文で書かれた史料は書き下し文か現代日本語になおして引用した。最後の総論では、十八世紀京都画壇がきわめて創造的 な場であったこと、そしてそこにおいて若冲の成し遂げたものが孤立した営為ではなかったのを理解してもらうために、若冲とほかの画家たちとの共通する志向 について少し説明している。
読むきっかけ&目的&感想
あたしは2007年春に「プライスコレクション 若冲と江戸絵画」で若冲の絵を観るまでは、“若冲”という画家の存在を知らなかった。で、この美術展で初めて若冲の絵を観て、生命力のある生き生きとしたその画に心を奪われてしまった。それ以来、たま~に若冲関連の本を読んだり、鑑賞したりしている。
さくら好み ★★★★★
ビギナーズ向けという事もあって、すごく分かりやすい編集になっていた
。あ~、本物をゆっくり観たいなぁ~。
覚書
プライス・コレクションの「鳥獣花木図屏風」は模倣作
静岡県立美術館の屏風は、動植物が若冲らしい形を持っているので、下絵だけは若冲が手がけたと思わせるが、類似の技法の「鳥獣花木図屏風」(プライス・コレクション)は違う。プライス夫妻のの収集品には重要な若冲画がいくつもあるが、あの屏風は絶対に若冲その人の作ではない。若冲の描く緊張感がまったくなく、すべてはゆるみきって凡庸である。静岡の屏風の配色が自然らしさに配慮したものであるのに対して、プライス氏の屏風の配色は平板で抽象的な模様を作るだけに終っている。工房作というにはあまりにも若冲画との落差が大きいので、稚拙な模倣作というべきだろう。
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