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2009年2月16日 (月)

078『RURIKO』 林真理子 初版2008年

昭和のビッグスターたちの恋と冒険、喝采の日々。

20090216

ring概要

昭和19年、新京。ラストエンペラー溥儀を抱え、傀儡国家のそしりを受ける満州帝国で国務院に勤務する浅井には4歳になる娘がいた。満映の理事長にして満州の黒幕、甘粕正彦がただ一人気にかけた少女、それが信子だった。

「ぜひ女優にしてください」。

天性の美貌で周囲を圧倒した信子は、日本に引き揚げたのち少女画家中原淳一の目にとまり、「浅丘ルリ子」として銀幕に華々しくデビューした!時は、石原裕次郎、小林旭、美空ひばりなどの大スターを輩出した昭和30年代。スクリーンに咲いた太陽と大輪の花に、国民は酔いしれた。ルリ子に待っていたのは、めくるめくような恋と冒険の日々だった!

映画スターとの初めての恋。
恋人に疑われ続けた、裕次郎との関係。
親友・美空ひばりと、小林旭との結婚。

恋と名声の嵐の中で、ルリ子は超然と、自分を貫く。去る者は追わない、他人の恋は祝福する。強がりでも負け惜しみでもない、ルリ子そのものだった。スターがスターであった時代、燦めくような青春を送った男女達の愛の交流を描く。

ring読むきっかけ&目的&感想

甘粕正彦について書かれた本を探していて知った一冊。図書館で借りようと思ったら、貸し出し中だったので予約をしたら、ナ・ナント164番目!!!、と凄くビックリしたのが昨年(2008年)の9月6日。あれから半年近く待って、やっと借りる事が出来た。あたしが借りた時点でも、予約が104人あった事からも、人気があるんだなぁ、と思った。

さくら好み ★★★☆☆

林真理子らしく読みやすい文章で、一気に読むことが出来た。甘粕の描写は少ないながらも興味深い描写がしてあったし、リアルタイムでその全盛期を知らないスター達ではあっても、知っている名前ばかりが登場するため妙なリアル感があり、現実のような虚構のような不思議な雰囲気に仕上がっていた。蜷川伊丹といった、あたしが好きな人の名前が登場したのも、興味を惹かれた。戦後日本の娯楽が映画からテレビに移っていくあたりの描写も、スター側からの視線というのが面白く、同時に一般大衆の集合心理も垣間見えて更に面白かった。

にもかかわらず、読後感は何とも物足りない。それは小説の主人公「ルリ子」に、人としての幅や人間らしいブレが無かったからだ。ルリ子自身よりも、ルリ子という鏡に映る他の人達のほうに幅やブレを感じた。中でも、美空ひばりはとても魅力的に描かれていると思った。

個人的には「小説としてはイマイチだなぁ」と感じたけど、あの林真理子が何を想いながら書いたのか、と考えながら読むのはそれなりに楽しかった。だから、個人的好みとしては★ひとつプラスして★★★。

ring覚書

web KADOKAWA RURIKO 公式サイト ←著者インタビューも見れます

 

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