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2008年10月 4日 (土)

053『チョコレートの文化誌』 八杉佳穂 初版2004年

中米では チョコレートは高貴な人しか飲めない飲物だった
20080927

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概要

本書は、できるだけ一次資料に基いて、チョコレートについて述べたものである。それも中米でのチョコレートがおもなテーマである。中米では、チョコレートは高貴な人しか飲めない飲物であり、しかもトウガラシやアチョテという食紅を入れた、人間のためではなく豚のための飲物といわれた何とも奇怪なものであった。金貨や銀貨ではなくカカオの豆がお金として使われていたことも、それを見たヨーロッパ人は、びっくりしたようである。だから中米の歴史や出来事を記した人は、ほとんど例外なくチョコレートに触れている。

もちろんチョコレートが中米から旅立ったあとのことも書くように務めた。しかし私はヨーロッパの専門家ではないので、ヨーロッパに渡って以後のチョコレートの歴史については少し述べているだけである。どうしてもそのほとんどは二次資料に基くものになるからだ。

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読むきっかけ&目的&感想

チョコレート、時々すごく食べたくなるので、一応ウチの冷蔵庫には常備してる。食欲が無い時、朝食にチョコレートとコーヒーなんて時もある。普通に食欲がある時にも、フランスパンに板チョコをのせてトーストしたりしている。甘い香りが漂い、トロリと溶けたチョコレートが抜群に美味しい。専門店でジュエリーのようにケースに納まっているチョコレートは、舌だけでなく目にも美味しい。『チャーリーとチョコレート工場』や『ショコラ』など、映画の中のチョコレートにワクワクしたりもする。

“チョコレート”には、ちょっと魔的な魅力がある。それで、この本に興味を持った。

さくら好み ★★☆☆☆

う~ん、、、、、イマイチ面白くなかった。あたしの無知のせいではあるけど、本書に書かれている“チョコレート像”が、全然想像できなかった。著者の専門外という事で、ヨーロッパについての記述が少ないのも、しかたないけど残念。

 

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覚書

◆現在のチョコレートが生まれるもとになった4大発明

チョコレートというと、今の日本ではふつう、食べるもののことをさすが、19世紀まで、チョコレートは飲むものであった。現在の固形のチョコレートが生まれるもとになったのは、19世紀の4大発明のおかげである。

Van_houten ココアがまず発明された。それは1828年のことであるが、ココアを飲む人なら誰でも知っているオランダのヴァン・ホーテン(Van Houten)がカカオバター(ココアバター)の抽出に成功して、ココアが生まれたのである。カカオ豆の50%以上が脂肪であり、そのためお湯に溶けにくかったのであるが、豆を搾って脂肪を半分ほど除いてココアを作った。さらに発酵過程で生成した酢酸など酸臭を発する有機酸を炭酸ナトリウムなどのアルカリで中和することも思いついた。これによりココア製造の基礎を築くことができた。

Frys_five_boys_milk_chocolate_2 つづいて、1847年、イギリスのフライが食べるチョコレート、すなわち板チョコを作り販売した。カカオ豆と砂糖をすり潰し、これにカカオバターを加えて型に流し込んで固めたものが、食べるチョコレートである。1849年には、キャドバリー兄弟が同じようなものを売り始めた。

1876年になると、それまで相性の悪かったミルクとチョコレートを混ぜ合わせて、ミルクチョコレートを作ることに、スイスのダニエル・ペーターが成功した。ミルクをいれたホットチョコレートは、ハンス・スローンらによって広まっていたが、ミルクを入れた固形のチョコレートを作ることはできなかった。水分が多いため、チョコレートの流動性がなくなるからである。ダニエル・ペーターは、水分を利用した機械でミルク入りのチョコレートを攪拌して、二昼夜かけて水分を蒸発させてミルクチョコレートを作ったという。

そして1880年には、スイスのルドルフ・リンツによってチョコレートの中の砂糖を細かい粒子に砕くコンチ(コンチュ)とあだなされる機械の発明によって、舌触りのよいチョコレートが生まれた。

Chocolate02 これらが4大発明と称されるものである。現代のチョコレート製造過程においても、この4大発明は十分活かされている。

 

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著者

八杉佳穂

1950年 広島に生まれる
1975年 京都大学文学部卒業
マヤ言語学、文字学、中米文化史専攻。現在、国立民族学博物館教授。総合研究大学院大学併任教授。文学博士。

20080920

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