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2008年8月の6件の記事

2008年8月27日 (水)

048『戦争と日本阿片史 ~阿片王 二反長音蔵の生涯』 二反長半 初版1977年

わしの作っている阿片は すべて薬用としてや
わしは毒になる阿片は作ってへん
瀕死の重病者の生命をよみがえらせる阿片 モヒ
わしはそれを作っているのや

その阿片を このように悪用し利潤を得る者があることが事実とすれば
それは民間人であろうと 官吏であろうと わしの敵や

20080826

・・・・・ 概要 ・・・・・

ケシの品種改良、採取法、製造法改良に取り組み、ケシ栽培奨励に全国をかけずり廻っている内に、明治の終わりには「阿片王」と呼ばれるようになっていった一農民の二反長音蔵(1875 - 1950)の生涯を、息子の小説家・児童文学作家である二反長半(1907 - 1977)が書き記したものが本書になる。

音蔵が活躍した時代の背景には、日清戦争、第一次世界大戦、満州事変、日中戦争などの戦争がある。明治の精神で生きる農民の音蔵が、そんな時代にどうケシ栽培に取り組んでいったか。私財をなげうってまでケシ栽培奨励に務めた音蔵は、敗戦のとき戦犯同様にMPに調べられたが、何の罪もきなかった。 。。

著者は本書を完成させるも、1977年8月20日の出版を目前にした7月5日、狭心症のため死去している。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

少し前にNHKで『調査報告 日本軍と阿片』という番組を見た。実は結構知られた事実であるらしいが、日本軍が組織的に阿片を管理売買し戦費に利用していた事を、あたしはこの番組で初めて知った。もう少し詳しく知りたいなと思ったので、ケシの栽培と阿片採取を奨励して廻った「二反長音蔵」、満州の国策である阿片ビジネスでリーダーシップをとった「甘粕正彦」、関東軍と結託しアヘン取引組織を作った「里見甫」について書かれた本を探して読んでみる事にした。その一冊目が本書になる。

さくら好み ★★★☆☆

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2008年8月16日 (土)

047『ごちそう探検隊』 赤瀬川原平 初版1994年

私はグルメが好きである
とくにグルメの丸ぼしが好きだ
ちょっと固くて 噛むとゴリッとした歯ごたえがあり
独特の苦味がある
それが噛んでほぐれてくると 甘みのようなものが出てくる

20080730

・・・・・ 概要 ・・・・・

九州に住んでいた少年時代、納豆は幻の食べ物だった。甘納豆から甘を取った食べ物って何だろう? 機内食はどうしても飛行機に乗らないと食べられないのか? 究極のグルメは、やっぱり点滴だと思う―。好奇心と食欲のおもむくまま綴ったエッセイ。

ちなみに、『グルメに飽きたら読む本』(尾辻克彦、1989)を、『ごちそう探検隊』(赤瀬川原平、1994)に改題し名義も変えて文庫化したものが本書になる。尾辻克彦=赤瀬川原平。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

食にまつわる面白そうなエッセイを探していて見つけた本。

さくら好み ★★★★☆

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2008年8月15日 (金)

戦争の後姿(日本近現代史ドキュメンタリー)

ブログ『映画スイッチ』に書いた、TVで放送されたドキュメンタリーの覚書。

tv 戦争の後姿(日本近現代史ドキュメンタリー) tv

 

  
 

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2008年8月13日 (水)

046『星三百六十五夜』 野尻抱影 初版1955年

365日 夜空に思いを馳せて・・・

20080813

☆☆☆☆ 概要 ☆☆☆☆☆

365日のそれぞれの夜空を見上げ、星空の浪漫と魅力を1ページ毎に語っている。

*中央公論社から昭和三十年に出版された本書は、限定一五〇〇部で定価八〇〇圓。現在は、春夏秋冬に分けて文庫として出版されている。

☆☆☆☆ 読むきっかけ&目的&感想 ☆☆☆☆☆

名古屋市科学館で2ヶ月に1回くらいのペースで行われている65cm大望遠鏡で星を見る事が出来る市民観望会に、あたしは一昨年、昨年と参加した。以前、御岳のキャンプ場で見た降ってくるような星空にも感動したけど、望遠鏡を通して見る土星の輪っかにも同じくらい感動した。ウチからは光害と狭い空のため明るい星しか見えないけど、それでもあたしは夜空を見上げる事が大好きになった。それで、もう少し星について知りたいなぁ、なんて思って探して知った野尻抱影の本。

さくら好み ★★★★☆

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2008年8月 9日 (土)

045『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)』 R.P.ファインマン 第1版2000年

謎といえば是が非でも解かずにはいられない
人をあっと言わせるような茶目っ気
見せかけや偽善に対する憤慨
彼の先を越そうとする者をまんまと抜き返す才能 など
まさに 彼の面目躍如たるものがある

1965年ノーベル物理学賞を受賞したファインマンの回想録

20080801

***** 概要 *****

少年時代より変わらぬ、あくなき探求心といたずらっ気・・・。20世紀を代表する物理学者が、奇想天外な話題に満ちた自らの人生をユーモアたっぷりに語る。

*1986年に刊行されたものを2000年に文庫化。

***** 読むきっかけ&目的&感想 *****

アマゾンのノンフィクション・ランキングの上位に入っているのを今年の春に見て、概要や読者レビューを読んだら面白そうだったので興味を持ち、図書館に予約をしていた。それをやっと借りる事が出来た。待つこと3ヶ月半、長かった。

さくら好み ★★★★★

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2008年8月 2日 (土)

044『食料争奪』 柴田明夫 初版2007年

日本の食が世界から取り残される日

20080726

・・・・・ 概要 ・・・・・

食料価格の高騰は、エネルギー・鉱物資源の高騰に続くものであり、近い将来起こるであろう食料争奪戦(国家間の争奪・市場間の争奪・工場部門と農業部門での水と土の争奪戦)の前触れでもあるとみている。価格高騰という「兆し」が何を示唆するのか。

本書をまとめるの当たって心掛けたことは、①一方的な見方ではなく、できるだけ多面的、専門的かつ歴史的に分析する、②過去の分析にとどまることなく大胆な「予測」を行うこと、③それにより、我々はどう対応すればよいのか、その解決策を提示することである。「予測」が大胆であればあるほど、現状との格差が鮮明になり、その解決策も単なる弥縫策にとどまらず、大胆な発想が可能となるためだ。また全体の構成としては、大きな筋立てに沿いながらも、節ごとに読み切ることができるようにした。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

貧困が無くなるという事は何が始まる事なのか、が知りたくて探した本の一冊。食料不足や石油の高騰が叫ばれる昨今、その要因は、投機マネーやバイオ燃料とする以外にも、中国やインドなどの貧しかった国が、目覚しい経済発展をしてきた事にもあると言われている。この経済発展という階段は、中国やインドに限らず、他の極貧といわれる国々だって、いずれ上り始めるに違いない、ような気がする(←無知なので曖昧な言葉になってしまう ^^;)。そうした時に何が起きるのか、というか、もう起きつつある現象なのか、それはどうなっていくのだろうか、・・・という事を想像する糸口になればと思って読んだ。

さくら好み ★★★☆☆

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