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2008年8月 2日 (土)

044『食料争奪』 柴田明夫 初版2007年

日本の食が世界から取り残される日

20080726

・・・・・ 概要 ・・・・・

食料価格の高騰は、エネルギー・鉱物資源の高騰に続くものであり、近い将来起こるであろう食料争奪戦(国家間の争奪・市場間の争奪・工場部門と農業部門での水と土の争奪戦)の前触れでもあるとみている。価格高騰という「兆し」が何を示唆するのか。

本書をまとめるの当たって心掛けたことは、①一方的な見方ではなく、できるだけ多面的、専門的かつ歴史的に分析する、②過去の分析にとどまることなく大胆な「予測」を行うこと、③それにより、我々はどう対応すればよいのか、その解決策を提示することである。「予測」が大胆であればあるほど、現状との格差が鮮明になり、その解決策も単なる弥縫策にとどまらず、大胆な発想が可能となるためだ。また全体の構成としては、大きな筋立てに沿いながらも、節ごとに読み切ることができるようにした。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

貧困が無くなるという事は何が始まる事なのか、が知りたくて探した本の一冊。食料不足や石油の高騰が叫ばれる昨今、その要因は、投機マネーやバイオ燃料とする以外にも、中国やインドなどの貧しかった国が、目覚しい経済発展をしてきた事にもあると言われている。この経済発展という階段は、中国やインドに限らず、他の極貧といわれる国々だって、いずれ上り始めるに違いない、ような気がする(←無知なので曖昧な言葉になってしまう ^^;)。そうした時に何が起きるのか、というか、もう起きつつある現象なのか、それはどうなっていくのだろうか、・・・という事を想像する糸口になればと思って読んだ。

さくら好み ★★★☆☆

この本、出版された頃(2007/07/13)に読んでいたら、もっと興味深く読めただろうな。もちろん、今読んでも興味深い情報だけど、ちょっと・・・ね。解決策もいまいちピンとこなかった。

というものの、グラフが多用してあり、視覚的に理解しやすいのは良かった。それもあって、自分の思考・情報を順序よく整理していくのにとても役立った。 

・・・・・ 覚書と雑感 ・・・・・ 

*BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)。貧困からの脱出を目指す。インターネットを使って市場価格を比較し、少しでも高い市場に農作物を出荷。経済発展によって食生活レベルが上がり、農作物の国内消費のみでなく輸入肉の消費が増える。全体的な肉の消費量増加は、飼料の増加にもなる。つまり、農作物の需要が増える。

*日本。安くて安全な食料を、必要なだけ、いつでも、いつまでも確保したい。自給率を上げる必要があるのは何故か、上がらないのは何故か、上げるにはどうしたらよいのか。減反政策、輸入農作物に掛ける関税にはどういう目的があるのか、その目的に対して有効なのか。

*世界人口増加やBRICs食生活レベル上昇に、農作物の増産が付いていけない。つまり、「食料不足分」はこれから増える一方になる。食料不足は「貧しいところ」に起こる。遠くない未来、その「貧しいところ」の一部に、日本人の一部が当てはまるようになるかもしれない。必要なだけの農作物輸入が出来ない、輸入できても高い、かといって国内で自給できない、国産農作物は高い、となれば何が起こるか。地球から貧困国が減っていくという事は、日本に「相対的な貧困層」ではなく「絶対的な貧困層」が生れる可能性があるのかもなぁ・・・。

「食料争奪」が起こりつつある今、日本の「食料安全」は守られるのか。 。。

*WTO EPA

20080713

 

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コメント

悪夢を見ますね。インフレになって食料を買えぬ人が沢山でてくる。民衆がスーパーや農家を襲撃する。。。

スーパーなどに出かけて野菜や果物の値段を見ると。腹がたってなにも買わずに帰ることが多い。
近所の農家が直売やっているが、スーパーの値段をみて、高値を仕掛けてくるし。
農家出身としてはやりきれない。明治以来続けた稲作は止めたし。
 年寄りになったら、田舎に帰って、芋、大根、豆、。。保存のきく野菜でも作るか。
 

投稿: 古井戸 | 2008年8月 7日 (木) 13時08分

あたしは、近所のスーパーで日曜朝市と銘打った野菜特売日に、まとめ買いをしています。今だと、県内産の少々不揃いなキュウリ、トマト、なす等の夏野菜が安くて美味しいです。というものの、最近の野菜は姿形が野菜でも、野菜本来の味を失っているなんて言われているようですが。 。。

自家菜園の野菜を自家消費する、昨今では何よりの贅沢なのでは、とさえ思うような現状になっていますね。朝のお味噌汁の具を朝採りの野菜でなんて、考えるだけでも美味しそうです。

石油の高騰による運送コストや箱代の値上げ、豊作による出荷調整・・・、必要経費にさえならなくて産地廃棄に至る農家の様子をニュースで見ると、工業製品とは違い、収穫スパンが長くて天気に左右される要素が大きい農業で収入を得ていく事の難しさを感じます。

投稿: さくらスイッチ | 2008年8月 9日 (土) 00時32分

輸送費=0と踏んでいたのがマチガイだった。ガソリンも高くなるし、いつでも、売ってくれるかどうか分からない。
野菜や果物を、国境を越えて(欧州のように戦略があるならべつだが。国境を消したし、そもそも国同士が近い)飛行機に野菜や果物を積んで運ぶ、というのがマチガイ。

電力がいるのなら地元に原発を立てる(東京のど真ん中に原発を)。

乳がのみたいなら市町村で牛を飼う。
芋畑野菜畑花畑を、市町村でもつ。

江戸時代の城下町のように。
欧州の大昔の王様のように。

          えい、えい、王!

投稿: 古井戸 | 2008年8月 9日 (土) 02時41分

大根に花が咲く事も、オクラの実が上を向いて生っている事も、ゴーヤの実がオレンジ色に熟す事も、里芋の葉っぱの形も、下手したらキュウリやナスに棘がある事さえ知らない人が増えています。スーパーでキレイにパックされて売っている状態以外を知らないで生活しているようです。

生産者と消費者の距離は離れる一方です。輸送が発達し、近い遠いが距離ではなく時間換算になった昨今、足の早い生鮮野菜や生花であっても、海外からの輸入が多くなっています。「消費者は表示を見て買うしかないから適正な表示を!」、「産地偽装だ!」というニュースも、便利な世の中ゆえの問題ですね。

地産地消!!
えい、えい、王! (^ω^*)

投稿: さくらスイッチ | 2008年8月 9日 (土) 08時13分

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