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2008年7月25日 (金)

041『宮崎駿の仕事 1979~2004』 久美薫 初版2004年

「宮崎さん」がいるというだけで 世界が豊かなものに思えてくる

20080715

・・・・・ 概要 ・・・・・

【日本図書館協会選定】 でも信者のひとは読まないで!

ベルリン映画祭最優秀賞、米アカデミー賞長編アニメーション部門オスカー獲得など、いまやクロサワに並ぶ世界の巨匠として認められたアニメーション界の巨人・宮崎駿。しかし、こうした栄光とは裏腹に、作品への、ひいては宮崎ブランドそのものへの疑問の声は日本国内では年を追うごとに強まるばかりだ。

「宮崎さん」という日本最強のブランドはどう始まり、どんな作品遍歴をたどり、そして善悪含めてどんな現象を巻き起こしていったのか。個々の作品の分析に始まり、日本アニメ史における宮崎作品の位置づけを再考しつつ、これまで指摘されることはあっても正面より論じられることは実はほとんどなかった作者のアノマリーを追い、海外進出の難しさ、そして宮崎ブランドの弊害にまで迫る。

凡百の類似書とは一線を画する野心的論考集。その情報量とともに読みやすさ、分かりやすさは折り紙つき。海外メディアで活躍する著者の洞察力が冴え渡る!

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

今、宮崎映画『崖の上のポニョ』が公開されている。で、宮崎作品の社会的ポジションに興味が湧いてきたので、それらしい本を探して借りてみた。

さくら好み ★☆☆☆☆

読み終わったあたしの頭の中は「???」だった。本書に書いてある事と自分の経験や記憶や想いが、全然リンクしないため、本書における前提や展開の仕方にまるっきり付いていけないのだ。

世間の人はそんなに思い入れがあって宮崎作品を観ていたんだ、とか、アニメ史の中で宮崎作品はこういう捉え方をする事が出来るんだ、とか、社会心理からそういう見方をする事が出来るんだ、などなど自分では想いもつかない事が書いてあるから、もっと興味を感じても良さそうなのに、全然好奇心を刺激されなかった。残念。

・・・・・ 覚書 ・・・・・

思い出というものは時とともに美化されることがある。ましてやアニメーションは実写と違ってすべてが絵でできているため、古びることが少ない。技術 的完成度が高ければ高いほど、そうなる。初めて出会ったときの感動が、そのまま色褪せることなく、長く一人ひとりの中で輝きを増していく。

ここには盲点がある。色褪せることがないゆえに、作品を新たな視点から見つめ直すことが難しくなるのだ。もっと正確に言うと、見つめ直したいのにそ れができないのである。出会ったときの感動が大きく、しかもそれが生涯にわたって続くものであるからこそ、時とともに自らのなかに個々の作品への懐疑の念 も湧いてくることに戸惑いを覚えてしまうのである。

ファンのあいだでくすぶり続けているこれらの疑問に答えるまではいかないけれど、迫ることはできないか。この志がどこまで達成されているかについて は心もとないものの、「宮崎さん」をめぐっての今後の論議のたたき台を提出するところまでは来たのではないか、とそれなりに自負している。

そんなわけで、本書は厳密には宮崎アニメのガイドブックではない。むしろ「宮崎さん」と私たちとのこれまでを振り返る旅。これが本書の目指すものである。

・・・・・ 著者 ・・・・・

久美薫  米国Anime情報誌 Anime News Network スタッフ。月刊Animerica Animation World Magazine 等にも寄稿。

20080713

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