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2008年5月 8日 (木)

019『失われた民主主義』 シーダ・スコッチポル 第一版2007年

アメリカ合衆国における民主主義の政治と

草の根ボランティア主義の相互影響に関して

大きな物語を語る

20080507

・・・・・ 概要 ・・・・・

パットナムのソーシャルキャピタル論や、サンデルのコミュニタリズムと問題意識を共有しいつつも、彼らの議論を「スナップショット」的と指摘する著者が、「長期にわたる市民の歴史」を物語の主人公にすえてアメリカ民主主義の変容を検証。

19世紀初頭の草の根民主主義の興隆から、9.11以降の衰退へと至る市民社会の来歴とその変貌を丹念に探り、市民や市民団体が公共政策の問題に積極的に関わろうとする意識が、政治制度上の問題によって低下していく現象を市民のメンバーシップから会員のマネージメントへの変化と読み解く。

本書は、2003年に刊行された原版の全訳。
 

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

「日本は民主主義国家なのだから」とか、「日本は民主主義国家といえるのか」とかいう言葉を読んだり聞いたりするけど、あたしの中で「民主主義国家の姿」が漠然とし過ぎていて、???を感じる事が少なくない。で、「日本の民主主義の現状」をイメージしやすくするために、まず本場「アメリカの民主主義の現状」をイメージできるようにしようと思った。そのためには、アメリカの現状のみでなく、その歴史的位置付けが分かった方が、より感覚的に理解しやすいかな、なーんて思ったので本書を手にしてみた。 。。。その程度の意識で読んだ本。

さくら好み ★★

甘かった、あたしには難しかった。なので、一読してからマインドマップ化して、理解に努めた。ただ、「アメリカの民主主義の現状」と「その根っこ」を、読む以前よりはイメージ出来るようになったので、あたし的にはヨシとしておく(笑)。

あくまでも“アメリカの歴史的事例と分析・現状打破の対策”が書かれているんだけど、日本も想像しながら読んだ。。。というか、そのつもりがなくても、現代の分析に至った章では連想しないではいられなかった。似てるんだよね。ただ現状に至る前、つまり“授業料のない偉大な学校”といえる「過去のアメリカ民主主義の姿」は、過去の日本には存在しないという事を、本書を読みながらつくづく感じた。

よくよく考えれば、本書を読んで「日本の現状と似ている」とあたしが勝手に思っただけで、認知基準がそもそも違うんだと、後で気付いた。過去が違うんだから、認知基準が違うのは当たり前だけどね。あたしは、現状の“枠組み”が似ているから錯覚しただけで、“中身”はずいぶん違うよね、日本とアメリカ。本書での対策は日本にも有効だし参考になりそう、・・・・・とは言えないかも。 。。いや・・・

 

・・・・・ 著者&訳者 ・・・・・

シーダ・スコッチポル 著
ハーバード大学教授。1947年、米国デトロイト市生まれ。専攻、歴史社会学、政治学。大学学部、大学院でアメリカ政治、社会学、比較社会歴史学等を講じるかたわら、同大学アメリカ政治研究センター所長、アメリカ歴史社会科学会会長、アメリカ政治学会会長などを歴任。デビュー作は、1979年のライト・ミズル賞、1980年のアメリカ社会学会賞を受賞。「多様な研究領域でのナショナル・リーダー」(『ハーバード・ガゼット』)と評されるように、歴史社会学、福祉国家論、社会政策論、アメリカ政治、市民参加論、「結社」研究等で刮目すべき数多くの著書、論文を発表している。

“『失われた民主主義』は、夫ビル・スコッチポルと息子マイケル・アラン・スコッチポルに捧げたい”

河田潤一 訳
大阪大学大学院法学研究科教授。1948年、神戸市生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業。神戸大学大学院法学研究科、甲南大学法学部教授を経て、1998年より現職。
 

・・・・・ 覚書 ・・・・・

◆本書を読み終えてから、冒頭で引用されているアレクシス・ド・トクヴィル『アメリカ民主主義』(1835年、40年)の下記一文を読み直すと、また違った思いが湧き起こってきた。

民主的な国家では、いかにして人と結び合うかを知ることが基本的な知恵であり、ほかのすべての進歩はその進歩に依存する。

民主政治は国民にもっとも有能な政府を提供するものではない。だがそれは、もっとも有能な政府がしばしばつくり出しえぬものをもたらす。社会全体に倦むことのない活動力、・・・とエネルギーを行き渡らせるのである。こうした活力は民主政治なしには決して存在(しないのである)。

政治は数多くの結社を生ぜしめるだけでなく、巨大な結社をつくり出す。社会生活においては、一つの利害関心が、多数の人間を自然のうちに一つの共同の行動に惹きつけることは稀である。・・・政治においては、・・・結社の普遍的価値が明らかになるのは、大結社の場合をおいて他にない。・・・政治的結社は多数の人々を一時に自分の殻からひき出す。年齢や頭脳や財産によって本来はどんなにかけ離れていようと、・・・ひとたび相見れば、再会の術は常にある。・・・

政治的結社は授業料のない偉大な学校であり、そこに来て国民の誰もが結社の一般理論を学ぶもの、とみなすべきである。

◆本文のマイ・マインドマップ。下記画像をクリックするとポップ・アップするよ。それが上手くいかなかったら→Photo_2 ←をクリックしてみてね。・・・というものの、見難いし、作った本人にしか分からないかな。。。ちなみに青色ゾーンは過去、赤色ゾーンは現代、緑色ゾーンは本書の主張になっている。

Photo

追記 リンク : 2008-05-13 「税金を上げろ」という住民運動

20080504

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