« 2008年4月 | トップページ | 2008年6月 »

2008年5月の11件の記事

2008年5月30日 (金)

027『<インテリア>で読むイギリス小説』 久守和子/中川僚子・編著 初版2003年

個人の居場所として、室内というものがヨーロッパではっきりと意識され始めたのは、歴史家レオ・スピツァーによれば、十七世紀後半になるらしい。近代小説の発祥にやや先んじて、室内空間への意識的視線が生まれてきたことは偶然ではない。

20080529

xxxxx 概要 xxxxx

イギリス小説の魅力へのアプローチはさまざまに考えられるだろう。本書は、イギリス小説に描かれた「室内空間=インテリア」を手がかりとして、イギリスの 文化・歴史の理解に迫りながら、小説の具体的な事物の描写を通して、作品世界のより深い読み取りを目指した。通常は人間関係のドラマの背景に過ぎないと思 われがちな室内のモノたちだが、あえてその存在に意識を向けると、より豊かな物語が見えてくる。

xxxxx 読むきっかけ&目的&感想 xxxxx

借りる前に目次を見たりパラパラと中身を見た限りでは、興味の持てない章もありそうだったけど、シリーズ3作のうち『<食>で読む』と『<衣装> で読む』が面白かったので、この『<インテリア>で読む』も借りてみることにした。それぞれの章が独立したテーマで別の人によって書かれているから、 興味が持てない章は飛ばせばいいだけだからね。

さくら好み★★★☆☆

続きを読む "027『<インテリア>で読むイギリス小説』 久守和子/中川僚子・編著 初版2003年"

| | コメント (0)

2008年5月20日 (火)

026『<衣装>で読むイギリス小説』 久守和子/窪田憲子・編著 初版2004年

たとえば、テクストの中に置かれた一枚の衣服や、ひと皿の料理、一脚の椅子の意味をめぐって、テクストから漂流し、ある歴史的な文脈のなかにそれを追跡すると同時に、読み手の文化と照合する。再びテクストに立ち戻った時には、テクストが新たな相貌で動き出している。

20080518_3

・・・・・ 概要 ・・・・・

イギリス小説では衣装をどのように表象してきたのだろうか。紳士の国イギリスはジェントルマンにふさわしい衣装を考案し、背広の由来はロンドンのセヴィル街からきている。女性の衣装もエリザベス1世にみられるように長い間、歴史の表舞台を歩いてきた。自己を明確に表すメディアであると同時に、時代のメディアともなる衣装をイギリス小説の中に追っていくと、文化と文学の豊かな鉱脈がみえてくる。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

ファッションを好きな女子は多い。かくいうあたしも好きだ。。。好きなファッションと似合うファッションと必要なファッションは微妙に違うので、いつもジレンマと闘いながらも購入計画を立てる。時に衝動買いもあるけどね。今のファッションばかりでなく、過去に遡ったファッションも好奇心をそそる。あたしのワードローブにあたしの好みや生活が見えるのと同じように、過去のファッションにも当時の流行や生活が透けて見えるからだ。

さくら好み ★★★★☆

続きを読む "026『<衣装>で読むイギリス小説』 久守和子/窪田憲子・編著 初版2004年"

| | コメント (0)

2008年5月19日 (月)

025『<食>で読むイギリス小説』 安達まみ/中川僚子・編著 初版2004年

<イギリスの小説>と<食>という二つを結べば、「イギリスの料理はまずい」というひと昔前の通俗イメージを想起させてしまうかもしれない。しかし、ひと口にイギリスの食といっても、その内容は多種多様である。

20080518

・・・・・ 概要 ・・・・・

人間にとって、食べるとは何か? 本書はイギリス小説に描かれた<食>を手がかりとして、イギリスの文化・歴史の理解に迫る一方で、具体的な食の風景の描写を通じて、登場人物たちの人間像をより深く読み取ることを目指した。華やかなディナー、ささやかなお茶の時間、美しい食器たち・・・・・。食というきわめて日常的な営みの持つ意味の奥行きを多種多様な視点から考察する。

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

物語の中に登場する“食”があたしは大好きだ。それは小説の中に限らず、映画、音楽、絵画、写真、アニメ、TVドラマ・・・・・色々な媒体に登場する。自分が食べれる分けでもないのに、現実の食と同じくらい、時にはそれ以上に心を惹かれる場合もある。そんなあたしに持って来いの本だと思ったので借りてみた。

さくら好み ★★★☆☆

続きを読む "025『<食>で読むイギリス小説』 安達まみ/中川僚子・編著 初版2004年"

| | コメント (0)

2008年5月18日 (日)

024『ROCKIN'ON JAPAN 2008年 05月号』 宇多田ヒカル インタビュー

「ジャンルに属さない音楽」

Rockinon_2

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

2002年に宇多田ヒカルがアルバム『DEEP RIVER』をリリースした時、体調を崩してプロモーション活動をキャンセルした。その時、彼女の希望で、この音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』当時編集長・鹿野淳氏と対談が行われ、その文章が彼女のHPにアップされた。その内容がとても印象深かったので、今回のロングインタビューも読んでみたくなった。で買ったのかというと、興味があるのが彼女のインタビューだけだったので、立ち読みしちゃいました。。。m(_ _)m。

さくら好み ★★★★☆

続きを読む "024『ROCKIN'ON JAPAN 2008年 05月号』 宇多田ヒカル インタビュー"

| | コメント (6)

2008年5月17日 (土)

023『全集 黒澤明 第四巻』 初版1988年

50年代後半

卓抜なシナリオの構成が多彩な映像技術を導き出した

20080510
( 表紙にタイトルが無いなんてwwww びっくり! 追記:中表紙だった^^; )

●●● 概要 ●●●

『七人の侍』 『生きものの記録』 『蜘蛛巣城』 『どん底』 『隠し砦の三悪人』 『決闘鍵屋の辻』のシナリオを収録。手塚治虫、千秋実、塩野七生から見た「クロサワ」。随筆、作品解題、批評史ノート、シナリオ注、資料が付せられている。

●●● 読むきっかけ&目的&感想 ●●●

この『全集 黒澤明』は、あたしのブログにコメントを残してくれた古井戸さんのブログで知った。ちょっと嬉しい「本との出合い」 ^^♪

黒澤明と共同脚本を書いていた橋本忍が『複眼の映像』で、映画『七人の侍』のシナリオが頂点だった、と書いていたので、迷わずそれが収録されている『第四巻』を借りた。黒澤明と橋本忍の両方を感じながら読みたいと思ったんだよね。

さくら好み ★★★★☆

続きを読む "023『全集 黒澤明 第四巻』 初版1988年"

| | コメント (6)

2008年5月13日 (火)

022『恋愛の誕生』 水野尚 初版2006年

人の心を一喜一憂させるこの感情こそが「恋愛」であるという見方は
十二世紀のフランスで発明された感受性だと考えられています

20080512

∵∵∵ 概要 ∵∵∵

「恋愛の誕生」とは、恋愛が肉体の次元から精神の次元に焦点を移したことを意味しています。それ以来、現在の二一世紀にいたるまで、世界中の恋愛観はずっとその影響下にあります。十二世紀のフランス文学から読み解く「恋愛の誕生」。。
 

∵∵∵ 読むきっかけ&目的&感想 ∵∵∵

あたしは「新しい概念を獲得した瞬間」の話が大好きだ。パラダイムシフトが起こり、それまでとは違った世界が現れる・・・って素敵。で、「恋愛」。たまたま図書館の英米文学の本棚を見ていて、タイトルに惹かれこの本を手に取った。ざっと内容を点検してみても面白そうだったので、借りてみることにした。

さくら好み ★★☆☆☆

続きを読む "022『恋愛の誕生』 水野尚 初版2006年"

| | コメント (0)

2008年5月12日 (月)

021『千年の祈り』 イーユン・リー 第一版2007年

なぜ彼女は中国語で書かずに英語で書くのだろうか

「中国語で書くときは自己検閲して」しまい「書けなかった」

だから英語という「新たに使える言語が見つかり、幸運だと思う」

20080511

○○○ 概要 ○○○

「たがいに会って話すには長い年月の深い祈りがあったのです。ここに私たちがたどりつくために」 ―離婚した娘を案じて中国からやってきた父。父娘のあいだに横たわる語られずにきた秘密と、人生の黄昏にある男女の濁りない情愛を描いた「千年の祈り」。ミス・カサブンランカと呼ばれる独身教師とその玉子売りの母を描いた「市場の約束」。代々宦官を宮廷に送りだしてきた町がそれと知らずに抱きつづけてきた欺瞞を描いた「不滅」。

中国の歴史の大きなうねりのなかで生きる人々の、ままならない歳月。その人生の細部のいあらわれる普遍的真実を、驚くべき技量で掬いとる。北京生まれの新鋭による、各章独占の鮮烈なデビュー短編集。

本書は2005年に刊行された『A Thousand Years of Good Prayers』の全訳。
 

○○○ 読むきっかけ&目的&感想 ○○○

共産主義の中国で生まれ育ち、資本主義のアメリカで生活している女性が、中国の物語を英語で記した本・・・・・、という事にまず興味を持った。そして、彼女にとって母国語ではない英語で書いたその小説が、第1回フランク・オコナー国際短編賞受賞、PEN/ヘミングウェイ賞、プッシュカート賞ほかを独占した、というのを知って驚いた。 。。。読んでみたい!   で、読んでみた。

さくら好み ★★★★★

続きを読む "021『千年の祈り』 イーユン・リー 第一版2007年"

| | コメント (0)

2008年5月10日 (土)

020『音律と音階の科学』 小方厚 初版2007年

ドレミ・・・は、まずピタゴラスが決めた!

なぜドレミ・・・という音階が人類に受け入れられたか?

20080509

***** 概要 *****

ジャズ、ロック、ポップス、クラシック、歌謡曲・・・・・あらゆる音楽に使われているドレミ・・・は、素数2と3を使って、まずピタゴラスが決めた。それから、純正律や、いくつかの音律を経て、現代の平均律へと進化した。音楽と数学の、ちょっと以外で濃密な関係を興味深く解き明かす。

音楽の3要素であるメロディ、リズム、ハーモニー、そのうちのメロディとハーモニーを対象に記述されている。ドレミ・・・のバックにある数学、物理学、そしてサイコ・フィジクス(心理物理学)を、分かり易く説明してくれる。

*著者による「音律と音階の科学」正誤表 
 

***** 読むきっかけ&目的&感想 *****

音楽は理屈じゃない!好きな音楽は好きだし、嫌いな音楽は嫌い、それで十分・・・なぁんて、あたしは思ってる(あたしは聴く専門だしね)。でもその反面、何で好きな音楽とそうじゃない音楽があるんだろう、何をしてあたしはそう感じるんだろう、なんて思ったりもする。

例えば、あたしはバイオリンの音色は好きなんだけど、ピアノの音色は苦手だったりする。オーケストラ音楽よりは、よりハーモニーの少ないカルテットなんかのほうが好きだ。単に好みの問題、と言ってしまえばそれまでだけど、それだけじゃないよね。。

・・・・・そんなあたしの思いに答えが出るかどうかは分からないけど、数学的アプローチで何かが見えるかもしれないなぁ、なんて思って手にした本。

さくら好み ★★★☆☆

続きを読む "020『音律と音階の科学』 小方厚 初版2007年"

| | コメント (0)

2008年5月 8日 (木)

019『失われた民主主義』 シーダ・スコッチポル 第一版2007年

アメリカ合衆国における民主主義の政治と

草の根ボランティア主義の相互影響に関して

大きな物語を語る

20080507

・・・・・ 概要 ・・・・・

パットナムのソーシャルキャピタル論や、サンデルのコミュニタリズムと問題意識を共有しいつつも、彼らの議論を「スナップショット」的と指摘する著者が、「長期にわたる市民の歴史」を物語の主人公にすえてアメリカ民主主義の変容を検証。

19世紀初頭の草の根民主主義の興隆から、9.11以降の衰退へと至る市民社会の来歴とその変貌を丹念に探り、市民や市民団体が公共政策の問題に積極的に関わろうとする意識が、政治制度上の問題によって低下していく現象を市民のメンバーシップから会員のマネージメントへの変化と読み解く。

本書は、2003年に刊行された原版の全訳。
 

・・・・・ 読むきっかけ&目的&感想 ・・・・・

「日本は民主主義国家なのだから」とか、「日本は民主主義国家といえるのか」とかいう言葉を読んだり聞いたりするけど、あたしの中で「民主主義国家の姿」が漠然とし過ぎていて、???を感じる事が少なくない。で、「日本の民主主義の現状」をイメージしやすくするために、まず本場「アメリカの民主主義の現状」をイメージできるようにしようと思った。そのためには、アメリカの現状のみでなく、その歴史的位置付けが分かった方が、より感覚的に理解しやすいかな、なーんて思ったので本書を手にしてみた。 。。。その程度の意識で読んだ本。

さくら好み ★★

続きを読む "019『失われた民主主義』 シーダ・スコッチポル 第一版2007年"

| | コメント (0)

2008年5月 5日 (月)

018『アメリカン・コミュニティ』 渡辺靖 初版2007年

国家と個人が交差する場所

20080505

わたしがアメリカを調査しているのは、正当な好奇心であるが、好奇心のためばかりではない。わたくしは、そこに、われわれが利用しうる教訓をみつけたいためでもある。(中略)わたくしはアメリカにおいてアメリカ以上のものを見たと告白する。わたくしは、民主主義の傾向、性格、偏見、情熱、つまるところ、民主主義そのものの真の姿を、アメリカにおいて追求しているのである。わたくしは、よしんば少なくともこれについて希望すべきものまたは恐るべきものを、知るためであろうとも、これを知りたいのである。 <アレクシ・ド・トクヴィル>

*本書冒頭にて引用されている文章

あたしはアメリカに対して興味が無かった。 。。。というか、今も、ある、とは言い難い。受身状態で得られる知識や情報によって形成された、曖昧なイメージしか持ち合わせていない。でも、まぁ、もう少し「アメリカの多様性」を、今よりは明確にイメージできるようにと思って本書を手にしてみた。

ちなみに本書は、「考える人」2005年春号~2007年春号連載の「カウンター・アメリカ」に加筆・修正し、「終章 アメリカン・コミュニティ」を書き下ろしたものである。

< さくら好み ★★ 

続きを読む "018『アメリカン・コミュニティ』 渡辺靖 初版2007年"

| | コメント (4)

2008年5月 1日 (木)

017『複雑系』 M・ミッチェル・ワールドロップ 第一版1996年

生命現象から政治、経済までを統合する知の革命

昔は「知の織物には継ぎ目がなかった」
もしかすると ふたたびそんなふうになれるかもしれなかった

20080501

本書は、最近「二十一世紀の科学」として急速に注目されるようになってきた科学 ― 生命の発現や生物の進化はもとより経済や社会や政治の動きにいたるまでを共通の理論的枠組みでとらえようとする「複雑系」の科学 ― の生みの親ともいうべき、アメリカ・ニューメキシコ州にある非営利組織のシンクタンク「サンタフェ研究所」についての物語である。あるいは、その研究所の設立に携わったさまざまな分野の学者の生きざま、自然観、科学館、についての物語である。一方に、クォーク物理学の創始者でノーベル賞受賞者であるマレー・ゲルマンが登場するかと思えば、「収穫逓増」を信じるエキセントリックな経済学者ブライアン・アーサーが、あるいは物理学とも経済学とも関係がなさそうな遺伝子生物学者やコンピューター科学者が、そのはざまを縫っていく。その中には、いまでは「人工生命」という新しい分野でスター的存在になっているクリス・ラングトンもいる。

「複雑系」、あたしがこの言葉を始めて知ったのは、ずっと以前、TV番組で「交通渋滞は何故起こるか?」という特集を見た時だったと思う。その後、折にふれ「カオス」とか「バタフライ・エフェクト」とかに関連してその言葉が現われた。で、なんとはなしに興味を持っていたんだけど、それを研究しているサンタフェ研究所について書かれた本がある事を知って読んで見る気になった。アマゾンで概要やレビューを読んでみたら、面白そうだったしね。

ちなみに本書は1996年に日本語訳が発刊されているが、原書が発刊されたのは1992年だ。

< さくら好み ★★☆☆ 

続きを読む "017『複雑系』 M・ミッチェル・ワールドロップ 第一版1996年"

| | コメント (0)

« 2008年4月 | トップページ | 2008年6月 »