『名画を読み解くアトリビュート』 木村三郎 初版2002年
「アトリビュート」という絵の中の小道具を考える入門書♪
四葉のクローバーといえば幸福の印。いつからか日本に輸入された認識で、私たちはもし絵の中に描かれた人物が四葉のクローバーを持っていたら、それは幸福の印だというふうに理解することができる。
西洋絵画の世界にも、じつはこのような「印」が存在する。「アトリビュート」という絵の中のさまざまな小道具である。本書は西洋絵画のこのからくりの重要なポイントである「アトリビュート」を考える入門書である。
『絵画の読み方 増強改訂版』が面白そうだったので借りる事にした時、同じジャンルの本棚にあった本。ぱらぱら捲るとこれも面白そうだし、『絵画の読み方 増強改訂版』より具体例が沢山載ってそうだったので、補足的に楽しめそうだったので借りてみた。
< さくら好み ★★☆☆☆ >
色んな画題の絵が、「アトリビュート」という切り口で同列に紹介されていて、気軽に読み進めることが出来た。
中でもあたしが面白かったのが、“擬人像を理解する”の項で紹介されていた“観念を人物として描く”という事だ。ここでは<自由の女神像>が例として使われていたのが、余計に興味を惹いたんだと思う。
確かに、「ところで、<自由の女神>とはいったい誰なのだろうか。ギリシア・ローマに登場するなら女神、聖書の物語を背景にしているなら聖女である。女神や聖女には、<ヴィーナス><マリア>など、具体的な名前があったが、このニューヨークの女神にはそのような名前がない。」と言われると、「確かにそうだ! 誰なんだろう??」って思う。で、「どうも<自由>というきわめて抽象的な観念とだけ深い結びつきがあるようだ。」と文章は続き、「おお~そうなんだ!? なるほど、観念を人物として描いているんだ!」とあたしは感じ入ってしまっていた。
でもって、「<自由>は、ラテン語でLIBERTASである。文法的に女性名詞であることから、<自由>を描く場合、女性の形をとるようになったのである。」、というあたりでは“読む楽しさ”にはまり、「へぇ~へぇ~、面白いなぁ・・・、なるほどなぁ。 。。。」と感心しきり状態だった。
まだまだ面白いのはこれからで、「擬人像にもアトリビュートがある」という事が、具体例を挙げて書かれていた。
この本でも紹介されていた図像の手引き『イコノロギア』を片手に、絵画鑑賞を楽しんでみたいなぁ、と思った。この本は入門書、というか入門書の入門書って感じで、分り易い文章と例で、面白かった。巻末にアトリビュートに興味を持った人のために、様々な文献やネットサイトが紹介されているのもイイ。
★オルガ・ギャラリー 図像項目の検索が可能。神話、宗教、文学に関連した画像が入手できる。
★ギャラリー・ユーロウェブ ヨーロッパの絵画彫刻を入力した膨大な数の画像データベース。1150-1800年まで。作品の画像と、生涯に関する簡単な記録。カラー図版を閲覧するには、極めて有用。キーワード検索が可能。
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